宮ヶ瀬ダムへ行って以来、ダムに詳しい方たちに色々教えてもらったりダムの写真を見たりしているうちに、ダムの魅力が段々と分かってきて面白くなってきた。

そんな中、なんと、ダムの内部を見せていただける見学会が開催されるという情報をキャッチ。
開催地は山梨県にある琴川ダム。見学会は「乙女湖高原つつじ祭り」というイベント中に行われた。

恥ずかしながら、ダムに興味を持つまでは、内部に入ることが出来るとは思ってもみなかった。そういう構造だと知らなかった。(川をせき止めているコンクリートの塊だと思っていた。)
世の中には自分の知らない場所がたくさんある。その一つがダムの内部だった。
見学会の予約は不要で、当日に整理券が配布されることになっていたので、朝から並ぶためにいつもよりかなり早起き。
会場受付に着いたら、既に列が・・・・。

まずい!見た感じでは20名くらいは並んでいる。定員は午前・午後の部それぞれ20名。
早起きして他県の山奥まで来たのに、見れないとか、午後まで待つとかちょっと厳しい。
というわけで、ドキドキしながら列に並んでいると整理券が配られ、ギリギリ午前の部の整理券をなんとかゲット(^^;


見学開始時間までは、ダム湖である乙女湖を眺めたり、乙女湖つつじ祭りの会場に次第に人が集まってきてかなり小規模ながら賑やかになってくる様子を眺めたりして過ごす。

会場の様子。焼き鳥などの軽食を販売するテントが建ち並ぶ。地元広報の取材班も来ていた。


乙女湖と後ろに見える琴川ダム。石をでかく写し過ぎた。



見学会に参加
さて、見学会はまず、管理事務所で琴川ダムについてのビデオ(DVD)をみた。
内容は、琴川ダムの役割について。
このダムは、以前訪れた宮ヶ瀬ダムと同じく多目的ダムで、多目的ダムとしては日本で最も高い標高に位置しているらしい。
主な目的は洪水調整、河川維持用水、上水道、発電となっている。
頂いたパンフレットとビデオを見ながら、概要の説明を受け、次は内部見学。

まずはダムの天端からダム直下へと降りていきます。
ここからは、階段も含め普段は立ち入りできない所。ワクワクしながら降りていく。


ダム本体の完成が2008年ということで、コンクリートの表面が古くない感じ。ぺたぺた触りつつ降りる。


途中にダム堤体内へ入れる扉があり、そこから中を少し覗かせて頂けた。
これが僕が初めて見たダムの内部。監査廊と呼ばれる場所。


一旦外に出て、さらに降りる。


↓ダムの直下まで降りたところ。高くそびえるコンクリートの壁。高さは64m。


階段を下り始めた時は、気がつかなかったけど、静かに放流していた!
おぉぉぉ!


しゃばぁーーーー。って感じ。癒し系な音。


琴川ダムはいわゆるゲートレスダムで、ゲート(水門)がない。
そのため、ダム湖が満水位になると自然に越流して、常用洪水吐(じょうようこうずいばき)から放流される仕組み。
つまり水がたくさん溜まってないと、放流は見れない。ある意味ラッキー。


なお、こちらの放流とは別に、発電用の取水・放流が行われている。

↓こちらは放流の勢いを抑える減勢池。

河床や河岸が放流の勢いで削られるのを防ぎ、放流水を安全に下流の河川に流すための池。

しばらく放流の様子を見学した後は、いよいよ本格的にダム内部の監査廊へ。


ダム内部
涼しい!ひんやり。でも湿度は高い。
ダム内部の監査廊は一年を通して気温15℃位だそうです。

↓さっき少し覗いた時に見た階段を今度は下側から見上げた。



監査廊では、コンクリートの隙間から漏れてくる水の量や、ダム堤体の歪みなどを観測して、異常がないかをチェックしているそうです。 え?水が漏れてるの?と思いましたが、貯めている水の水圧がとても高いのでコンクリの繋ぎ目などからはどうしても漏れるようです。


↑写真に写っているメーター付のバルブ(監査廊内に数箇所ある)で漏水量を測定。

監査廊の見学を終えると、今度はエレベーターで堤体上に出た。


以前訪れた宮ヶ瀬ダムよりは幅が狭いけど、まっすぐな天端。長さは264mある。
右側の建物はエレベーターと階段のある棟。


天端から眺める放流の様子。

↑さっき見た減勢池のある減勢工がL字型をしているのがわかる。このダム特徴のひとつらしい。

ここまでで琴川ダム内部見学会は終了。
初めてダムの内部を見学することが出来て本当に良かった。まだまだ知らないことだらけではあるけど、ダムのことを理解する良いきっかけになったと思う。

見学会後は、展望台へのぼってみた。ダムから階段をたくさん上れば行けるけど、パーキングがあるので車で^^;

いい眺めでした。



訪問日:2012年6月24日

DAM-DATA
河川名:富士川水系琴川
形式:重力式コンクリートダム
用途:洪水調節、上水道用水、発電、既得用水の安定化・河川環境の保全
堤高:64m
堤頂長:262m
管理者:山梨県
本体着工:2001年, 完成年:2008年

山梨県 ようこそ琴川ダムへ


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